遺伝的形質の固定について

杉野氏画像色柄の固定の試み

このページでは、東京にお住まいの杉野氏の色柄の固定の試みをご紹介します。杉野氏は、更紗の中国花房をはじめ、大変奇麗な柄の作出に成功されています。このように、実証的な事例は、金魚の色柄の固定を遺伝的に解明するのに有効だと思われます。以下に杉野氏のコメントを載せますので是非参考にしてください。

一番古い系統の恐らく小出系の中国花房です。この魚で4世代め位になりますが、1対1の直系交配をしたら2代で型に関してはほとんど固定してしまいました。

白勝ち更紗で房が赤という模様を追求しているのですが、固定度は上がりましたが、やはり弱くなったのか魚は昨年春全滅しました。

一番最初の画像の1世代前に出現した魚でいわゆる本国錦という模様です。年取ってから背に鹿の子模様が浮いてきました。メスでしたが、いい仔が出なかったので、昨年鑑賞魚フェアに出品しましたが、体が小さくて番外でした。

今春、この系統はメスがいなくなってしまいましたので今年は仔取りはできません。

琉金のハネ物¥200から拾ってきました。このような魚に近いものが沢山いました。本国錦のような模様はさほど珍しいものでもなく、丹頂のように模様もある程度の遺伝形質と考えられます。
このように六鱗模様はそれほど出にくいわけではないと思われます。今のところ赤(素赤)と白の単純な交配で出現する場合が多いので案外単純な遺伝なのではないかと考えています。金魚の遺伝は今まで考えられているほど難しくない気がします。まず基本は雄雌1対1でかけてF1をとり、F1同士でF2をとる。こうしたら私のハナフサではF2で形に関してはほぼ固定してしまいました。ここで色気を出さず赤と白の系統を作っておけばよかったのですが。このようにつくったF2の魚を種親にしないとすべては始まりません。ただし、これ以上血を濃くすると体が小さく弱くなってくるようです。
宇野先生晩年の魚が小さかったというのも示唆的です。