第14夜

久々のカルトな夜です。やはりシーズン中は書込めませんでした。(^^;; 冬の夜は、めっきりカルト指数が上がりますね。このホームページを開設して早や一年が過ぎました。(1997年12月10日開設!!)

多くの方に訪問して頂き、大変嬉しく思いますし、沢山のネットを通じたお友達も出来ました。秋には品評会やオフ会でお会い出来た方も大勢いらっしゃいます。

何とも素晴らしい一年であったようにも思います。しかしながら、日本の世の中は依然として騒然としています。従来の価値観の崩壊、そして安定した生活を望むには殊の外難しくなった経済情勢。また、世界は大変難しい局面に差し掛かっているのも確かなことでしょう。

そのような中、私達は金魚飼育をただ単なる現実生活の逃避の場としてのみ考えることが果たして許されるのだろうか?という疑念が頭をよぎるようになってきました。

バブルの頃のアロワナのような狂乱プライスの付いた熱帯魚飼育も影を潜めました。同じくらんちゅうや高級金魚と名の付く生産者は苦境に陥っているのではないでしょうか?(但し、しっかりとアマチュアを掘り起こしてきた生産者は生き残るでしょうが。)

金魚は手軽であるが故にまた、楽しみ方もさまざまで奥が深いということですが、その反面これからの時代は、特に漫然と飼育することがあっては恐らく継続出来ないのではないでしょうか?

経済的な余裕があってはじめての趣味でもあるわけですから。

目を背けるためのみの趣味であれば、それは単なる気休めでしかありません。それよりは、もっと積極的な意味での「趣味」の構築、つまりは、真剣さが「趣味」にも必要なのではないでしょうか?

趣味の一つにでも秀でるものを持たなければ、実社会でもまたその人の生き方を象徴するものだとも思うのです。

行動的であれ!精力的であれ!社会的であれ!

これらの言葉には自戒の念を込めてみなさんにも噛み締めてもらいたいと思っています。

戦争中、先達は食べるものも事欠くときに、種を絶やすまいと金魚を大事に飼っていたと聞きます。先達は、ならば何故!??それほどまでして金魚を飼育してたのか??

答えは「金魚が本当に好きだから」ということに帰結するのです。

以上、上に書いたことは私の戯れ言と捉えて頂いても一向に差し支えありません。それよりも全ての愛好家が「金魚が好き」に収斂して、また再考して頂ける契機になったらと思っていると言ったほうが良いかもしれません。

書き始めたらいきなり重くなっちゃいました。(^^;; 悪い癖です。らんちゅうオフシーズンはどんどんページも更新しますのでお楽しみということでこの辺にしておきますね。[1999.2.18]

第15夜

「カルトの夜」の更新をせずにすでに10ヶ月を過ぎてしまいました。この一年、考えさせられる事が沢山ありましたが、じっくりと夜を過ごす事は出来ませんでした。金魚の飼育はこのオフとオンのシーズンがあるから長く続けられるものなのでしょうね。

オンシーズンは一心不乱に飼育に励む。そして手の掛からないこの時期に来年の春に思いを馳せながら、色々な資料を集めたり、勉強したりして自然と準備を整えて行くのが楽しみ方のようにこの頃思えてきました。

カルトな夜は冬の夜更けがお似合いなのでしょう。手持ち無沙汰とはこのことです。金魚のWebページを徘徊して、「なるほどこんな考え方があるんだな。」とか「お〜い、そろそろ更新してくれ〜。」と己の事を棚に上げて文句を言ったり・・・・

さてさて、今回のカルトな夜にふさわしい題材をひとつ。

今や世を挙げてのリストラなる怪物が闊歩する暗い暗い星一つない世の中になっています。西暦2000年もあと数日に迫っています。

今年の品評会巡りをしていて危惧していたことがあります。これだけ経済情勢が悪くなって来ると趣味を控える人が増えて、品評会も以前ほどの賑わいがないのじゃないかと。

それは杞憂に終わりました。どの品評会も例年と同じく多くの愛好家で賑わっていました。例え失業しても金魚という趣味を続けるだけの貯えのある方も多いでしょう。また、それなりに色々なことを切りつめて趣味をこれまでとは違った形で楽しむ方も増えているのではないでしょうか?

社会の変革期には、今までの常識と言われたものは通用しないでしょう。となれば、その社会で生活を営む人間の心の持ちようも変わるはずです。

その中で趣味というものの意味合いも当然変わって来るでしょう。きっと、これからの5年10年という歳月は、趣味の世界を変貌させてしまうことでしょう。どのような形になるかは知る由もありませんが。

しかしながら、どんな時代でも趣味の世界には制約が付き物です。それを如何に現実社会と折り合いを付けるかは、それぞれ個人の資質に帰すものなのだと私はこの頃つくづく思うのです。

ミレニアム、新千年紀だそうですが、我々仏教徒には一向に関係ないものだと私は高を括っているわけですが、キリスト教徒が仕掛けた、ノストラダムスの大予言より強烈なY2K問題というハルマゲドンも全世界的に大変なようなので、まあ粛々と新年を迎える準備でも皆さんしようじゃありませんか。

のんびりと金魚でもやってる場合ですよ![1999.12.27]

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